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【施工事例】築30年の物流倉庫、屋根カバー工法で操業継続しながら改修

1. はじめに ― 施工事例の概要

本記事では、埼玉県某市に所在する築30年の大型物流倉庫において、屋根カバー工法(重ね葺き工法)による屋根改修を実施した施工事例をご紹介します。

倉庫オーナー様は、長年にわたる雨漏り被害やテナントからのクレーム、断熱性能の低下による空調コストの高騰に悩まれていました。しかし、物流業務を止めることは事業上不可能――そんな厳しい条件の中で選ばれたのが、操業継続しながら施工できる「カバー工法」でした。

結果として、工期わずか約8週間、操業を一日も止めることなく改修を完了。雨漏りゼロ、断熱性能40%向上、年間電気代約180万円の削減を実現しています。同様のお悩みをお持ちの施設管理者様のご参考になれば幸いです。

物件概要

項目内容
所在地埼玉県某市
建物用途物流倉庫(24時間稼働)
延床面積約8,000㎡(約2,400坪)
築年数30年(1995年竣工)
構造鉄骨造・平屋建て
既存屋根材大波スレート(アスベスト含有)
工期約8週間(2025年秋施工)
施工内容屋根カバー工法(サンドイッチパネル)
施工会社株式会社SEENO

2. オーナー様が抱えていた課題

今回の改修に至るまで、オーナー様は以下の4つの深刻な課題を抱えていました。

2-1. 雨漏りの頻発

築25年を過ぎた頃から大波スレート屋根のひび割れが進行し、大雨のたびに雨漏りが発生。改修直前には計12箇所で雨漏りが確認されていました。応急処置としてコーキング補修を繰り返すも、根本的な解決には至りませんでした。

倉庫内の保管貨物が水濡れ被害を受けるケースも年に数回発生しており、荷主企業への損害賠償リスクが経営上の重大な懸念事項となっていました。

2-2. テナントからのクレーム

倉庫を利用するテナント企業から「雨の日に商品が濡れる」「夏場の室温が異常に高く、作業員の熱中症リスクがある」といったクレームが頻繁に寄せられていました。テナント契約の更新時に賃料の値下げ交渉をされるケースもあり、不動産収益の低下にもつながっていました。

2-3. 断熱性能の低下と電気代高騰

大波スレート屋根は断熱性能が低く、夏場の屋根表面温度は最大70℃に達していました。倉庫内温度は外気温より常時8℃以上高い状態が続き、空調設備に過大な負荷がかかっていました。

近年のエネルギー価格高騰も重なり、年間の電気代は右肩上がり。施設管理費全体を圧迫する主要因となっていました。

2-4. アスベスト含有の懸念

1995年竣工の建物であり、屋根材である大波スレートにはアスベスト(石綿)が含有されている可能性がありました。2022年4月に施行された「大気汚染防止法」の改正により、解体・改修工事におけるアスベストの事前調査が義務化。葺き替え工事を行う場合、アスベストの除去・処分に多額の費用が発生することが見込まれました。

3. なぜカバー工法を選択したか

オーナー様は当初、「葺き替え工法」と「カバー工法」の2つの選択肢を検討されていました。複数社への見積もり依頼を経て、最終的にカバー工法を選択された理由を解説します。

3-1. 葺き替え工法との比較

比較項目葺き替え工法カバー工法
工事概要既存屋根を撤去し新設既存屋根の上に新屋根を重ね葺き
工期約14~16週間約8週間
概算費用約4,500万円約2,800万円
操業継続一時休業が必要操業継続可能
アスベスト処理除去費用が別途発生封じ込めにより追加費用なし
断熱性能新屋根材による向上サンドイッチパネルで大幅向上
廃棄物大量に発生ほぼ発生しない

3-2. 操業継続の必須条件

今回の物流倉庫は24時間365日稼働しており、テナント企業の物流業務を一時的にでも停止させることは事業上不可能でした。カバー工法であれば、既存屋根を残したまま上から新しい屋根を設置するため、雨風をしのぎながら施工を進めることができます。これがカバー工法を選択した最大の理由です。

3-3. アスベスト封じ込め効果

カバー工法では既存の大波スレート屋根を撤去しないため、アスベストの飛散リスクがありません。新しい屋根材で「封じ込め」る形となり、法令に基づくアスベスト除去の義務が免除されます。これにより、アスベスト処理費用(推定600~800万円)を丸ごと削減することができました。

3-4. コストメリット

葺き替え工法の見積もり額が約4,500万円であったのに対し、カバー工法は約2,800万円。約38%のコスト削減を実現できる点も、大きな決め手となりました。工期が短い分、仮設足場費用や安全管理費用も抑えられています。

4. 施工の流れ ― 8週間の全記録

ここからは、実際の施工工程を時系列でご紹介します。延床面積約8,000㎡の大型物流倉庫を、わずか8週間で改修した工程の全貌です。

第1週:足場設置・養生

施工初日、まず建物外周に足場を設置しました。倉庫の出入口やトラックバースに影響を出さないよう、搬入出動線を確保した上で足場計画を策定。テナント企業への事前説明会を実施し、工事期間中の安全ルールを共有しました。

屋根面へのアクセス用タラップを4箇所に設置し、既存屋根の詳細調査(ドローン撮影含む)を実施。劣化が特に進行していた北面を優先施工エリアに設定しました。

第2~3週:下地調整・防水シート施工

既存の大波スレート屋根の上にタイトフレーム(受け金具)を取り付け、新しい屋根材の下地を整えていきます。この工程がカバー工法の要であり、既存屋根との密着性と新屋根の水平精度を両立させる必要があります。

タイトフレームの設置後、透湿防水シートを全面に敷設。万が一の結露対策として、通気層を確保する構造としました。8,000㎡の広大な屋根面に対し、2班体制で効率的に作業を進行しました。

第4~6週:サンドイッチパネル取付

いよいよメインの工程です。断熱材(硬質ウレタンフォーム、厚さ50mm)を芯材としたサンドイッチパネルを、一枚一枚丁寧に取り付けていきます。パネル1枚の有効幅は約1,000mm、長さは最大10mまで対応可能。大型倉庫の長尺な屋根面も、少ない継ぎ目で仕上がります。

この工程では、パネル同士の嵌合(かんごう)部分の精度管理が極めて重要です。わずかな隙間も雨漏りの原因となるため、SEENOの熟練職人が一枚一枚、嵌合状態を確認しながら施工を進めました。日々の施工面積は約400~500㎡。天候リスクを考慮したバッファ日程も確保していましたが、2025年秋は天候に恵まれ、予定通りに進行しました。

第7週:板金仕上げ・雨樋施工

屋根面のパネル施工が完了した後は、棟部分・ケラバ部分・軒先部分の板金仕上げを行います。この板金仕上げこそが、建築板金の専門会社であるSEENOの真骨頂。防水性能と美観を両立する精緻な板金加工で、屋根全体を隙間なく仕上げます。

あわせて、既存の雨樋を新しい大型角樋に交換。屋根面積8,000㎡からの雨水を効率的に排水できるよう、排水計算に基づいた適切なサイズを選定しました。

第8週:完了検査・引き渡し

施工完了後、以下の検査を実施しました。

散水試験:屋根全面に対して人工降雨による散水試験を実施し、雨漏りがないことを確認。

気密測定:パネル嵌合部分の気密性を専用機器で測定し、基準値をクリアしていることを確認。

外観検査:仕上がり状態の目視検査を行い、キズや凹み等がないことを確認。

安全確認:足場解体後、建物周辺の安全確認と清掃を実施。

すべての検査に合格した後、オーナー様立ち会いのもと引き渡しを完了しました。施工前後の状況を撮影した報告書も併せてお渡ししています。

5. 施工中の安全管理・テナント配慮

24時間稼働の物流倉庫で屋根改修を行う以上、安全管理とテナント配慮は最優先事項です。SEENOが今回の現場で実施した具体的な取り組みをご紹介します。

5-1. 操業継続のための工夫

施工エリアと倉庫内の作業エリアを明確にゾーニングし、万が一の落下物に備えて屋根裏面に防護ネットを設置しました。また、施工中もクレーン車やトラックの搬入出動線を確保するため、作業車両の配置を毎朝のミーティングで確認。テナント企業の物流スケジュールに合わせて、大型クレーンの作業時間を調整しました。

5-2. 騒音・振動対策

サンドイッチパネルの取り付けにはビス打ちが伴いますが、騒音が大きくなる作業は午前9時~午後5時に限定。テナント企業の事務所近傍では、特に振動の少ない工法を採用しました。週次で騒音・振動の測定データをテナント企業に報告し、透明性のある施工管理を徹底しました。

5-3. 安全対策

高所作業が中心となるため、以下の安全対策を徹底しました。

全作業員のフルハーネス型墜落制止用器具の着用を義務化。親綱の設置箇所を施工進捗に合わせて毎日更新し、安全帯の使用率100%を維持しました。毎朝のKY(危険予知)活動では、当日の施工内容に応じたリスクアセスメントを実施。8週間の施工期間を通じて、労働災害ゼロを達成しています。

6. 施工結果 ― 改修前後の比較

屋根カバー工法による改修の成果を、具体的な数値でご紹介します。

比較項目改修前改修後変化
雨漏り箇所12箇所0箇所解消
屋根表面温度(夏季)約70℃約45℃▼25℃
室内温度差(対外気温)+8℃以上+3℃以下▼5℃
年間電気代基準値約180万円削減大幅減
耐用年数(残存)残り数年30年以上延長
テナント満足度クレーム多発クレームゼロ改善

特筆すべきは断熱性能の向上です。硬質ウレタンフォーム50mmを芯材としたサンドイッチパネルにより、屋根表面温度が25℃低下。これにより空調効率が劇的に改善し、年間約180万円の電気代削減につながりました。投資回収期間は約15年と試算されており、30年以上の耐用年数を考慮すると、十分な投資効果が見込めます。

7. オーナー様の声

改修完了後、オーナー様から以下のお声をいただきました。

正直なところ、倉庫の屋根改修は何年も先延ばしにしてきました。24時間稼働している倉庫を止めるわけにはいかないし、アスベストの問題もある。コストも見通しが立たない。そんな中、SEENOさんから「操業を止めずにできますよ」と提案をいただいたときは、半信半疑でした。

でも、実際に工事が始まってみると、テナントさんへの配慮も行き届いていて、騒音のクレームも一件もありませんでした。何より、8週間で終わったのは本当に驚きです。

改修後はテナントさんからの評価も上がり、来期の契約更新もスムーズに進みそうです。電気代の削減効果も実感しています。もっと早くお願いすればよかったと思っています。
― 倉庫オーナー K様(埼玉県)

8. この事例から学べるポイント

本施工事例から、倉庫・工場の屋根改修を検討される皆様に向けて、4つのポイントをまとめます。

ポイント1:「操業を止めない」改修方法がある

カバー工法なら、事業を継続しながら屋根改修が可能です。物流倉庫や工場など、稼働を止められない施設でも、テナントや作業員に大きな影響を与えることなく改修を実施できます。「止められないから改修できない」という固定観念を捨てることが、課題解決の第一歩です。

ポイント2:アスベスト対策とコスト削減は両立できる

2006年以前に建てられた建物の屋根材にはアスベストが含有されている可能性があります。葺き替えだと除去費用が高額になりますが、カバー工法なら「封じ込め」方式で対応でき、処理費用を大幅に削減できます。法令遵守とコスト削減を同時に実現する合理的な選択肢です。

ポイント3:断熱改修は「光熱費削減」という形で投資回収できる

屋根改修は単なる修繕ではなく、断熱性能の向上を通じた「省エネ投資」でもあります。本事例では年間約180万円の電気代削減を実現しており、約15年で投資回収が可能と試算されています。修繕費ではなく「投資」として捉えることで、経営判断がしやすくなります。

ポイント4:信頼できる専門会社選びが成功の鍵

カバー工法は高い技術力と経験が求められる工法です。特に大型物流倉庫の場合、施工管理・安全管理・テナント配慮など、施工技術以外の能力も問われます。施工実績の豊富な専門会社に相談することが、成功への近道です。SEENOは創業1962年、通算5,000件以上の施工実績を持つ建築板金の専門会社として、安心してお任せいただけます。

9. セルフ点検チェックリスト

以下の項目に心当たりはありませんか? 1つでも該当する場合は、早めの専門家への相談をおすすめします。

  • 屋根にサビや色あせが目立つようになってきた
  • 雨漏りが発生している、または雨の日に天井にシミができる
  • 夏場の室温が異常に高く、空調が効きにくい
  • 築20年以上で、これまで屋根の大規模修繕を行っていない
  • 屋根材にアスベストが含まれている(または含まれている可能性がある)
  • テナントや従業員から施設環境に関するクレームが増えている
  • 光熱費が年々上昇しており、原因の一つが屋根の断熱性能不足だと感じる

3つ以上該当する場合は、屋根の専門的な調査を強くおすすめします。SEENOでは無料の屋根診断を実施しておりますので、お気軽にご相談ください。

10. まずは無料屋根診断から

「うちの倉庫・工場も同じような状況かもしれない」とお感じになった方は、まずは無料の屋根診断をご利用ください。

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